炭酸ガス 続き2
そこで、胃カメラと大腸内視鏡を続けて行う場合、大腸内視鏡検査に炭酸ガスを使用してみました。
体内に取り込まれる酸素の量と、呼気中の炭酸ガス(=二酸化炭素)をモニタリングして安全性を、また従来に比して腹部膨満感の訴えが減ったことを確認できました。
ここまでは海外ですでに報告されていることを実践したに過ぎず、新しい試みはしていませんでした。
ちょうど同じタイミングで、剥離法による大腸の内視鏡治療法が実用化されつつありました。
この剥離法は内視鏡治療が可能な病変をきれいに一括切除できるという大きなメリットがあります。
(詳細は「大腸 ESD」で検索してみてください)
しかし、より慎重さが求められる手技なのでどうしても時間を要してしまいます。
内視鏡検査でも治療でも、視野を確保するために腸管に空気を入れながら操作しますので、時間がかかるとかなりの量の空気が腸の中に送り込まれてしまいます。
それにより腸管全体が過度にパンと張った状態になると、患者さんが苦しいのはもちろんですが、「迷走神経反射」という血圧が低下したり徐脈になったりという不都合が生じます。
そこで、「検診センターで採用されている炭酸ガスを治療に導入してみよう」ということになりました。