鎮痙剤(ちんけいざい)

心臓病や糖尿病、前立腺肥大などの持病が無ければ、内視鏡検査の前に胃腸の動きを抑えるために鎮痙剤を注射します。

胃カメラでも大腸内視鏡検査でも基本的に同じように使用します。


第一選択としてブスコパンという薬を使います。
これは胃腸の動きを抑制してくれる他に、唾液の分泌も抑えてくれますので、胃カメラの時はダブルの効果で重宝します。

しかし、緑内障や心臓病がある方はグルカゴンという薬を使います。
こちらも胃腸の動きを抑えますが、作用時間が短く唾液の分泌抑制効果はありません。

そこで、胃カメラの時は喉の奥に唾液が溜まらないように口の中の唾液をどんどん口から外に出してしまいましょう。

また、糖尿病の方にはグルカゴンは使用できません。


ブスコパンもグルカゴンも使用できない場合、例えば心臓病と糖尿病の両方を治療中の方などは、やむを得ず鎮痙剤を使用せずに検査します。

この場合、胃カメラではさほど支障ありませんが、大腸カメラは腸蠕動(ぜんどう)が激しい患者さんでは挿入が難しくなることもあります。


それでもほとんどの場合、患者さんから苦痛の訴えはないレベルです。

あまりに蠕動が強い場合は胃腸の中にペパーミントオイルを撒いて蠕動を抑えるという方法も取られます。